自社メディアの記事ネタの見つけ方
会社やお店のWebメディアを任されると、最初の数本を書いたところで「次は何を書けばいいのだろう」と手が止まりがちです。特別な知識や新しい出来事を探そうとするほど、パソコンの前で時間だけが過ぎていきます。記事のネタは、机の前で頭をひねるのではなく、毎日の仕事の現場から見つけます。
書くことが思い浮かばないときの視点
メディアを立ち上げた直後は、会社のお知らせや新商品の案内など、書くことが自然と見つかります。ところが、告知が一巡すると、急に更新が難しく感じられることがあります。何か驚くようなノウハウや、専門書に載っているような知識を書かなければ読まれないのではないか、と考えてしまうためです。
しかし、読者が求めているのは、教科書のような専門知識ばかりではありません。日々の仕事の中で実際に起きている出来事や、現場で試してわかった工夫のほうが、役に立つ場面が多いものです。
ネタを探すときは「新しいアイデアを思いつこう」とするのをやめてみます。代わりに、日々の業務の中で見聞きしていることへ目を向けます。社内では誰もが知っていることでも、外の人にとっては初めて知る役立つ知恵であることがよくあります。特別な話題を探すのではなく、すでにある事実を見つけ直す姿勢を持つと、書くことの候補は自然と増えていきます。
お客さまから受ける質問をそのまま拾う
自社メディアのネタとして確実なのは、お客さまから実際に受けた質問です。
問い合わせのメール、電話での相談、店頭や商談での何気ないやり取りを思い出してみてください。「この商品とあの商品の違いは何ですか」「手入れはどのくらいの頻度ですればいいですか」「初めて使うときは何から始めればよいですか」といった疑問です。1人が声に出したということは、画面の向こうにも同じ疑問を持つ人がいるはずです。
質問をそのまま題材にする利点は、読者の知りたいことと記事の内容が最初から一致している点です。
質問をメモに残す習慣
日々の仕事で受けた質問は、その場で答えて流れてしまいがちです。そこで、質問を受けたらすぐに短いメモを残す習慣をつけます。
- メールの下書きやスマートフォンのメモに、受けた質問を1行で書き留める
- 「〇〇と〇〇の違い」「選び方の目安」といった短い言葉にしておく
- 自分がそのとき答えた内容も、1〜2行で書き添えておく
これだけで、記事の骨組みが半分できた状態になります。質問が見出しになり、自分の回答が本文の芯になるからです。
社内の「当たり前」を外に向けて言葉にする
自分たちにとっては当たり前すぎて、説明するまでもないと感じている事柄の中に、読者が喜ぶネタがたくさん隠れています。
毎日その商品を扱い、サービスを提供している人にとっては日常でも、これから買おうとしている人や使い始めたばかりの人にとっては、どれも新鮮な情報です。
新入社員に教える内容を思い出す
社内の当たり前を掘り起こすときは、新しく入ったスタッフに何を教えているかを振り返ってみるのが近道です。
- 道具や備品の正しい手入れ方法
- 作業を丁寧に終わらせるための小さな工夫
- つまずきやすいポイントと、それを避ける事前の準備
新入社員がつまずくところは、お客さまがつまずくところと重なっています。業務マニュアルの1項目や、普段口頭で伝えている注意点を記事にすると、実用的でわかりやすい内容になります。
また、社内で使っている道具の紹介も、興味を持たれやすい題材です。パソコンや文房具、作業用の道具など、「現場で普段使っている道具」はそれだけで興味を持たれます。なぜその道具を選び、どう手入れしているのかを書くだけでも、読み応えのある記事になります。
失敗した経験や試行錯誤の過程を共有する
うまくいった話だけでなく、失敗した経験やそこから学んだ過程も、読み手にとって価値のある題材です。
多くの人は、買い物や作業で失敗したくないと考えています。そのため、「やってみてわかった注意点」や「別の方法を選んだほうがよかった理由」といった内容は、購入や導入を検討している読者にとって大いに参考になります。
例えば、新しい機材を導入したものの想定通りに動かなかった話や、準備の段取りを間違えて苦労した話などです。単に失敗した事実で終わらせず、その後にどう工夫して解決したか、次回からはどう気をつけているかまで書くことで、前向きで信頼できる記事になります。
完璧に見える会社よりも、試行錯誤しながら誠実に仕事をしている様子が伝わる記事のほうが、読者からの安心感を生みやすいものです。失敗談を隠さず、次の誰かの役に立つ知恵として共有してみてください。
集めたメモを記事に仕上げる最初の一歩
ネタをいくつかメモできたら、最初から長文を一気に書こうとせず、短い手順に分けて進めていきます。
まずは、メモした質問や出来事の中から「これなら今すぐ答えられる」と感じるものを1つだけ選びます。その質問をタイトルにして、答えを3つの文で書いてみます。結論、その理由、具体的な例の3つです。
それらがそろったら、それぞれの文の間に少し補足の言葉を足していくだけで、短い記事の形が整います。最初から完璧な文章を目指す必要はありません。目の前の1人のお客さまにメールで返事を書くような気持ちで進めてみてください。今日手元に残した1行のメモが、明日公開する記事の確かな種になります。
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